普通クライマーによるシューズレビュー3

2021年5月22日

(オ)トゥーフック

 

1位レッドラインストラップ

2位ゼニスト

3位フラッグシップ

4位ファントム

 

1位はレッドラインストラップです。

何のラバーなのかよくわかりませんが、とにかく効きます。

シューズの形状もラバー表面の凸凹もベストです。

トゥーの意識が抜けてもメチャクチャ残ります。

 

2位のゼニストも1位同様、何のラバーなのかよくわかりませんが、とにかく効きます。

シューズの形状もラバー表面の凸凹もベストです。

トゥーの意識が抜けても残ります。

 

3位のフラッグシップも1位2位に負けずトゥーはメチャクチャ効きます。

1位2位に比べると、形状の違いなのか、ちょっと抜けるのが早い気がしました。

ホールドにもよると思いますが。

 

4位はファントム。

アグロのイメージがあったので期待していたのですが評価は普通でした。

シビアなトゥーだと抜ける感覚があります。

上位3足が良すぎて評価が下がりますが、全く問題ないレベルです。

 

1位、2位、3位は、ほとんど差はなく、今までで最高のトゥーでした。

トゥーの新時代到来です。私の中ではアグロのトゥーが最高だったのですが、完全に覆されました。

今までにないぐらい安定して効きます。

 

 

(カ)ヒールフック

 

1位レッドラインストラップ

2位フラッグシップ

3位ファントム

4位ゼニスト

 

1位のレッドラインはドローン同様段差のあるヒールを幅広にした形状です。

最初は違和感があるが、慣れるとかなり使い勝手が良かったです。

点で押さえても良いし、段差にひっかけても良いです。

そして踵全体を覆うような形状のため、角度を倒してもかかり続けます。

私は浅いタイプの踵だがおさまりはよかった。

 

2位はフラッグシップ。

幅広でラバーの高さが低くアナサジのヒールみたいな形状です。

足首までラバーがないのでちょっと不安だが、その切れ目にかけられたら良さそうです。

そこまで上手く使えていませんが。

ファイブテン系のヒールはブカブカで、潰してかけるイメージだったのが、フラッグシップはシャンクみたいなのが入っていて、おさまりもかなり良くなったと思います。

ただ、まだ踵に空間があるので、多少は潰してかけるイメージが残っています。

 

3位はファントム。

トゥー同様、アグロのイメージで期待していたのですが、ちょっと違いました。

何が違うのかわかりませんが、ラバーのフリクションが悪い気がします。

踵のおさまりは良いです。

 

4位はゼニスト。

他レビューでも言われている通り、良くはないです。

ラバーが細くて少し傾けると、ラバーから外れて抜けてしまいます。

まっすぐ抑え続けられたら十分使えます。

ちょっとテクニックが必要ですが、もっと悪いヒールのシューズは多々あります。

踵のおさまりは良いですが、柔らかいヒールなので痛いです。

 

 

(キ)コスパ

 

1位レッドライン 税込み18,700円

2位ゼニスト 税込み19,800円

3位フラッグシップ 税込み20,900円

4位ファントム 税込み24,200円

 

1位レッドライン。

この性能をこの価格で買えるのはマッドロックだけではないでしょうか。

安心の価格だと思います。

 

2位ゼニスト。

最近のイボルブは高級志向でなかなか手を出せなかった方もいたでしょうが、2万を切るシューズとしてはかなり高性能なシューズだと思います。

 

3位フラッグシップ。

アンパラレルの集大成のようなシューズなのにこの値段は安いと思います。

デザインもかっこいい。

 

4位はファントム。

イボルブ技術を目一杯詰め込んだシューズなので仕方ない値段なのかもしれませんが、手を出しづらい金額ですね。

 

 

4,総合評価

 

1位レッドラインストラップ

2位フラッグシップ

3位ファントム

4位ゼニスト

 

1位のレッドラインストラップは、シャンクがないのでスラブ垂壁では不安が残りますが、セパレートなしの一枚ラバーと足指の力で頑張れば問題ないレベルです。

元々ヘイワイヤーでスラブ垂壁を登っていたので個人的には頑張れます。

その他は高次元でメチャクチャ使えるシューズです。

更にお財布にも優しいので総合評価も1位でした。

デザインも最近迷走気味だったマッドロックですが、だいぶ良くなったと感じます。

今回の検証ではVXIに一番近いシューズは、レッドラインストラップだと思いました。

更にヒールもトゥーも性能はVXIを凌駕しています。

正直、ソリューションコンプも何回か履かせてもらったのですが、引けを取らない性能があると思います。

それがこの価格で手に入るとなれば、マッドロックの天下も目前だと思います。

 

2位のフラッグシップは、スラブ垂壁は確かにちょっと不安が残りますが、シャンクが入っているので他の柔らかいシューズに比べると相当使える。

また程よい足裏感覚もありフリクションもいいので、どの壁にも平均以上に適用できる素晴らしいシューズでした。

さすがに花崗岩の結晶には乗れませんが、この1足あれば、ほとんどの課題を高次元で登れます。

値段も平均的です。

そしてなんと、こんなに真っ赤なシューズなのに靴下への色移りが無いんです!

ファイブテン系のシューズが好きな方は、必ず最終的にこの一足に落ち着くと思います。

これだけの性能を発揮できるアンパラレルが、VXIのDNAを受け継いだレオパード2を開発しているということで、期待しまくりです。

 

3位のファントムは、スラブ垂壁でも問題なく、強壁でも足が残りやすく、今回の4足の中で一番バランスが良いシューズでした。

デザインもかっこいいし、なにより足型がベストフィットしました。

全体的に何にでも良くこなせる感じです。

「柔らかすぎるシューズは足裏が痛くて嫌!でも硬いのも嫌!」って方は、ファントムがベスト。

ただ少し値段が高くて順位が下がりました。

 

4位はゼニスト。

私の技術ではスラブ垂壁で上手く使えませんでした。

そしてヒールもちょっと苦手です。

コツを掴むのに時間がかかりそうです。

その他は、かなり使えるシューズです。

強壁課題で本気トライをする時のために持っておけば確実に便利な一足です。

値段も安く、メインのシューズというより二足目で持っていたいシューズなんです。

VXIもヒールは苦手な人が多かったと思います。

個人的にはむしろゼニストのヒールの方がまだマシだと思っています。

 

 

以上が私のシューズレビューとなります。

人それぞれ感じ方、好きなデザイン、メーカー、登る環境、グレード等違いますが、一つの意見として参考にしていただければと思います。

 

各シューズ詳細

レッドラインストラップ

 

フラッグシップ

 

ファントム

 

ゼニスト