3,シューズ比較
(ア)履き心地
1位ファントム
2位フラッグシップ
3位ゼニスト
4位レッドラインストラップ
左からレッドライン、フラッグシップ、ゼニスト、ファントム
1位のファントム(US8.5)は、今まで履いたことがないぐらい足型が合っていました。
テナヤのシューズを履いた時の感動と同じ感覚です。
それでいてしっかりダウントゥもターンインも入っている感じです。
開口部はイボルブ特有の二つに割れたタンのおかげで脱ぎ履きもしやすいです。
6ポイントのシングルプル・ベルクロベルトのクロ―ジャーはかなりフィットします。
内側にベルクロがつくので、足の踏み替えの時に少し気になる時はあります。
アグロでも感じたが全体的にゴムに包まれているボテッと感がある。
2位のフラッグシップ(US8.5)は、今までファイブテン系の足型が合わなかった方は、是非試して欲しいシューズです。
かなり履き心地は良くなりました。
全体的に柔らかくなっていて、更にセパレートのソールと相まってすんなり足に馴染む気がします。
ダウントゥはあるが軽めのターンインがあまり癖のない履き心地になっている気がします。
開口部は他スリッパシューズ同様硬めのゴムとなっていて、脱ぎ履きは特段変わりありません。
ベルクロストラップがあるのでしっかりとした拘束感もあります。
全体的に作りが薄いので、素足に近い履き心地です。
3位のゼニス(US8.5)は、ダウントゥもターンインも入っているが、全体的に柔らかいこともあって最初から足に馴染みやすいイメージです。
X1に近い履き心地です。
ただサイズ感は、いつものイボルブシューズのハーフサイズ上げをお勧めします。
私だったらUS9.0でした。
開口部はウェットスーツみたいな生地で、フィット感があります。
ただ、気を付けて履かないと巻き込んで、ひと手間増えます。
ベルクロストラップもあるので、全体的に柔らかいのに、しっかりとした拘束感もあり、ちょうどいいバランスでした。
このシューズも全体的に作りが薄いので、素足に近い履き心地です。
4位のレッドラインストラップ(US8.5)は、少し親指が前から押されるような、初めてインスティンクトを履いた時と同じ感覚がありました。
ただつま先部分のラバーが柔らかく、直ぐに慣れました。
また、幅もちょっと狭い作りで、幅広の足型だときつく感じるかもしれません。
私にはちょうどいい狭さで、全体的に柔らかいのに拘束されている感じがして、つま先まで力を伝えやすいと感じました。
開口部は他のシューズに比べて柔らかいゴム生地となっており、フニャフニャしています。
脱ぎ履きしやすいが、耐久性は低く感じます。
ただ、ベルクロストラップがあるのでしっかり拘束できます。
このシューズも全体的に作りが薄いので、素足に近い履き心地でした。
(イ)足裏感覚
1位レッドラインストラップ
2位ゼニスト
3位フラッグシップ
4位ファントム
VXIとの比較
VXI > ヘイワイヤー > レッドライン > ゼニスト
1位のレッドラインは、シャンクが無いということで、かなり足裏感覚が良かったです。
Science Friction 3.0が粘りのある踏み心地と、セパレートではない一枚ラバー?も相まって、足が伸びきってもつま先に力を伝えやすく、強傾斜で足が残しやすいです。
VXIの足裏感覚とフリクションには及びませんが、シューズの形状も相まって十分足を残しやすいシューズです。
2位のゼニストのソールはTRAX SAS 4.0㎜に加え、1.0㎜のミッドソールが搭載されているため、柔らかいシューズですが、足裏感覚に少し厚みを感じました。
足裏感覚だけで比較すると物足りないかもしれませんが、トラックスラバーも安定のフリクションなので、足は残しやすいです。
買ったその日から強傾斜で大活躍します。
3位のフラッグシップはシャンクが入っているため足裏感覚はそれほどないが、ラバーのフリクションがいいため、しっかり踏めている感覚がある。
履けば履くほど感覚が良くなりそうでした。
4位のファントムは、シャンクが入っているけどつま先だけシャンクがない作り?だから指先の感覚はある気がします。
この4足と比べると全体的に硬い気がしますが、クライミングシューズとしては十分柔らかい分類のシューズに入ります。
(ウ)エッジング
1位ファントム
2位フラッグシップ
3位レッドラインストラップ
4位ゼニスト
そもそも今回の4足はエッジングを重視していないシューズだと思いますので、比較する必要はないかもですが、念のためレビューしました。
1位はファントム。
つま先だけ柔らかい作りとなっていますが、スラブでも文句なく立てます。
花崗岩でも柔らかく感じたが立てなくはなかった。
ただ、名だたるエッジング最強シューズ達には遠く及ばず。ジム利用だったら十分です。
2位はフラッグシップ。
シャンクが入っている割にあまりエッジが効かない気がしました。
というよりファイブテン系シューズ特有の形状のせいか、個人的に点でエッジをかけて乗るのが苦手です。
むしろセパレートを採用しているため、土踏まずの可動域が広く、更にフリクションが良いので、エッジをかけるというよりスメッジングの方が良かったです。
3位はレッドラインストラップだが、シャンクがない割に2位のフラッグシップと大差は無いと感じた。
つま先の形状はフラッグシップより点で乗れる気がします。
「幅狭でしっかり拘束」&「一枚ラバーっぽいソール」&「点で乗れそうなつま先」のおかげで、多少はエッジにも対応できる気がします。
ただ、やはり指先の力と、痛みに耐える気持ちは必要です。
スメッジングの方がいいです。
4位はゼニスト。
エッジングは不向きです。
柔らかいシューズなのでエッジングに期待していないのでいいですが、アグロ、X1に続き、イボルブの柔らかいシューズは何となくエッジに立つと指先が抜けてくる感覚があり、うまく使えないです。
フラッグシップ同様、セパレートを採用しているため、土踏まずの可動域が広く、スメッジングの方が良かったです。
スメッジングを極めてください。
(エ)スメアリング
1位ゼニスト
2位レッドラインストラップ
3位フラッグシップ
4位ファントム
1位はソールも柔らかくセパレートを採用しているゼニストがスメアリングしやすいと感じました。
ただ、トラックスラバーは一皮剥けるまではちょっと弾かれている感じがするので、もうちょっと履かないと信頼できないとも感じました。
2位のレッドラインはセパレートしていないが、柔らかさがちょうどよくフリクションも良いので、スメアリングしやすい感じがあった。
3位のフラッグシップはシャンクがある分、ちょっと硬く感じるが、セパレートを採用している上にフリクションがいいので、安心感があった。
4位はファントムで、他3足と比べるとシューズ全体の剛性が高いので4位となったが、全然スメアリングに問題はない。
この4足でスメアリングがダメなシューズは全くなく、全て平均以上でした。敢えて順位をつけたらこうなっただけですので、ご理解ください。
ゼニスト
レッドラインストラップ
フラッグシップ
ファントム